日常におけるイノベーション(2011年10月27日)

はじめまして、ディレクターのサカナヤです。
入社して三ヶ月になりますが、まだまだ新鮮です。

今回は、イノベーションに関するお話を少々ご紹介しようと思います。

「イノベーション」という言葉は割と古くからありましたが、特に近年になって流行りだし、企業や国が積極的に取り組むようになりました。
イノベーションと言われて多くの方がまず思い浮かべるのは、「ipod」などの従来の常識・価値観を大きく覆す破壊的な革新、ラディカルイノベーションだと思います。

しかし、イノベーションはそんな大それた話ばかりではなく、日常において個人レベルでも起こす事が出来ます。
今回ご紹介するのは、そういった小さくて持続的な革新、日常におけるインクリメンタルイノベーションのお話です。

さて、本題に入る前に、「イノベーション」という言葉の意味について、軽く触れておきましょう。
イノベーションを研究した経済学者のシュンペーターは、イノベーションを以下のように定義しています。

"イノベーションとは、経済活動の中で生産手段や資源や
 そして労働力などを今までとは異なる仕方で「新結合」すること"

ここで重要な要素は、「今までとは異なる仕方」と「新結合」です。
これまでの常識では接点を持たなかったものを「結合」させて、「新たな価値」を生み出す事が、イノベーションの真価と言えます。

では、これを踏まえた上で、日常におけるインクリメンタルイノベーションとはどんなものがあるでしょうか?

難しく捉える必要はありません。
それは例えば「料理にオリジナルの隠し味を入れてみる」であったり、「ベランダで食事をしてみる」であったり、本当に些細な事です。

しかし、これら些細なイノベーションを積み重ねていく事が、実は「生活」そのものをイノベーションするという大きなテーマに繋がっています。

私自身の例を挙げてみます。

私は読書をする際、お気に入りの自転車で遠くの河原まで出かけて、適当な木に登って読むようにしています。
都会の人の目からすれば変人でしかないのかもしれませんが、田舎者の私にとっては気持ちが良いです。

他にもベランダで芋を育ててみたり、食べられる草を探しに出かけたりと、小さな「田舎的行動」を多々起こしています。

でも実は、これらの多くは東京に出てきてから始めた事です。
都会にいるからこそ、不足している田舎的な生活を求めた結果なのかもしれません。

「都市生活のイノベーション」なんて言い方をすると途端に仰々しくなりますが、蓋を開けてみると、些細な事で自身の生活をより充実したものに出来るとても楽しい行為だと思いませんか?

皆さんも是非、「今ある常識」から一歩離れ、日常の中で自分だけのインクリメンタルイノベーションを起こしてみてください。
きっと今より楽しい生活が待っていますよ。


余談となりますが、日常からこういったインクリメンタルなイノベーションを起こす事に慣れていると、企業や社会においてイノベーションを起こす際にも思考の起点となり得ます。
そこから先は「物事のリンク」という概念が絡んでくるのですが、その話はまたいずれ。

サカナヤでした。

サカナヤ